アインハインツディーゼルトラック

「Einheitsdiesel」(アインハイツディーゼル)

第二次大戦の開戦前、乱立気味であったドイツの自動車産業界の統合と来るべき開戦にそなえて輸送用車輌の規格化を図る陸軍兵器局(HWa)の要求が示されそれに沿う形で開発されたのがEinheitsdieselと呼ばれるシリーズです。MANがHenschel及びHumboldt-Deutsと共同開発した「type HWa 526 D(80PH)」と呼ばれるエンジンを3軸6輪のシャーシに搭載、全輪駆動、各軸独立サスペンションの進歩的なシャーシ構成はHenschelを中心に設計され、信頼性と耐久性に富み、素晴らしい不正地走行性を持っていました。欠点としては車輌自重と比べた積載重量の低さ、複雑なシャーシ構成による高コスト化でこれらが原因となり1940年には製造中止となってしまいましたが陸軍の各部隊で広く使用され、木製キャビンタイプのKfz61~68も生産されました。生産期間は1937年~1940年で各社がこれに参加しています、内訳は下記の通りです。

MAN:約1800台、Henschel:約1500台、Magirus:約2500台 Bussing-NAG:約3200台、Faun:約700台、Daimler-Benz:約550台 (これにVomagも参加、生産台数は不明)

車輌諸元については下記の通りです。

(名称):6×6 le gl 2.5-Tonnen-Einheits-Kw‘Einheits-diesel”

(全長):5.85~6.11m

(全幅):2.00~2.235m

(全高):2.4~2.76m

(ホイールベース):4.20m(注-1)

(最低地上高):25cm

(車体重量):5~5.5ton

(最大重量):7.3~7.5ton(注-2) 

(牽引重量):3.5ton

(機関):HWa 526 D (6気筒ディーゼル)

(出力):80HP/2.400rpm

(気筒容積):6.234ccm

(燃料容積):115.0Liter

(行動半径):360Km(整地)

(最高速度):70Km/h(路上)

(注-1);3軸以上の車輌のホイールベースの表記は様々ですがドイツ車輌の場合は「前輪中心」から

    「後輪の先頭軸中心」を指します。前輪中心から後輪2軸の中心点では無いので注意が必要です。

(注-2);資料の記述の方法がこの様だったので、そのまま記載していますが常識的に考えると最大重量から

    車体重量を差し引いた数値が一般の「積載重量」を示す事になろうかと思います。

以上、参考文献は下記の通りです。

「TRUCKS OF THE WEHRMACHT」 by Reinhard Frank 

(1944 Shiffer Publishing Ltd./ISBM:0-88740-686-6)

  「Das grose Buch der Deutschen Heere -im 20.Jahrhundert」

(1990 PODZUN-PALLAS-VERLAG/ISBM:3-7909-0388-4)

以上お世話になった鈴木師匠にお送りいただきました資料です。

ZVモデルスのキットでした。


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